映画紹介日記

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まだ間に合う!レッドカーペットを渡る『すずめの戸締り』の紹介

観客動員1000万人を突破し、2月24日にはベルリン国際映画祭へ出品される新海誠監督の最新作『すずめの戸締り』日本アカデミー賞の話題賞俳優部門にて”宗像草太”を演じる松村北斗さんが受賞し、まだまだ止まりを見せない今作品ですが、まだ観ていないという方も観てみたくなるようにできるだけネタバレしない形で紹介しつつ、観た方にも楽しんでもらえるような記事を書いていきたいと思います!

 

あらすじ

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが...やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。――星と、夕陽と、朝の空と。迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった――不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。

                      『すずめの戸締り』公式サイトより

 

『すずめの戸締り』の感想

まず個人的な感想としては新海誠監督の前作である『天気の子』は前々作の『君の名は。』より良いと思っていたので今作はどうだろうかと鑑賞しに行きましたが・・・

面白い。前作よりも好きです。『天気の子』の時は面白い作品ではあるけれど、ファンタジーに振り切っているわけでは無いのに現実からかけ離れすぎている要素ばかりだったのでどうなのだろうかと思っていた部分もありましたが、今作は現実的な面と非現実的な面のバランスが非常によくとれていて、映画の構成として気になるところなく楽しめました。入場者特典でもらった(現在配布終了)新海誠本でも言及されていたので力を入れたんだなと感じました。

ただ、ざっくりとした話にすると不可解な現象によって出会った男女が強い関わりを持ち、その現象を解決すべく日本を旅する。といったところで、前作、前々作と形はかなり似ているかもしれません、言ってしまえば『秒速5センチメートル』も似たようなものではありますし、新海誠節がまたまた出ていると考えられます。

マンネリ化と捉えてしまう人もいるかもしれませんが、似通った中で違った物語を観ることで楽しみ方のバリエーションが増えているとも受け取れるため観ない理由にするには勿体無い気がします。

 

『すずめの戸締り』ここがオススメ!

1つ目としましては、新海誠さん、あなた学生を長距離移動させるのお好きですねえ!

遠方へ行かせがちな新海誠作品ですが、今回はまたその価値が今までとは違います。

今作は「行ってきます」という言葉がキーワードとなっており、ポスターなどのキャッチフレーズにも用いられていますね。

この『すずめの戸締り』は地震をメインとし、震災が風化しないよう、まだ復興は続いてることが伝わるように作られた作品であると述べられています。

若い頃は毎日のように言う「行ってきます」という言葉も一瞬で崩れ、当たり前ではなくなることを私たちは知っています。家族と離れ離れになってしまう事だっておかしくは無いでしょう。そのため今作での旅というのは重みが違っていると思いました。

そんな新海誠作の”旅”にいつもと違った感覚を味わうことができるでしょう。

2つ目のオススメポイントは鈴芽と草太の行く先々で出会う人たちのキャラクター。

これまでの作品を観てみるとフォーカスの当てられる登場人物というのがある程度限られてしまっている感じがします。しかし今回は登場人物一人一人の人物像が描かれていて、ここでも震災に合わせて人との関わりの重要性を訴えかけているような気がしました。

出会う人々の人間性に注目してみるのも楽しみの一つになります。

3つ目はなんといっても映像が綺麗です。大きなスクリーンいっぱいに映し出される色鮮やかで細やかな映像はやはり映画館でしか味わえないですよね。

新海誠監督は特に植物や水の表現が素晴らしいので背景までにもこだわりを感じます。

 

最後に

公開されてから早くも4ヶ月が経過しようとしていますが、まだ上映している映画館もあります。再び注目を集めている『すずめの戸締り』ぜひ映画館まで足を運んでみてはいかがでしょうか!きっとあなたはこの映画を観た後帰った時に「ただいま」と言いたくなるでしょう。