映画紹介日記

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絵本をミュージカル映画化!グレイテスト・ショーマンのスタッフが手掛ける『シング・フォー・ミー、ライル』のお勧め!

今回は先日鑑賞してきました、『シング・フォー・ミー、ライル』の感想を書いていきたいと思います!



あらすじ

ニューヨークへ引っ越してきたものの、新しい生活に馴染めずにいた1人の少年。そんなある時、歌うワニのライルと出会ったことで、少年の人生が大きく変わりだす。

              『シング・フォー・ミー、ライル』公式サイトより

 

字幕版ではライルの吹き替えを超大物シンガーソングライターのショーン・メンデスが、日本語版の吹き替えを大泉 洋が務めておりどちらも気になる、聴いてみたくなるキャストですが、今回は字幕版が近所の映画館になかったため吹き替え版の鑑賞をしてきましたのでそちらの感想を書いていきます。

ライルの感想

順を追って話していきますと、子供ライルが可愛い!!と思っていたらあっという間に成長して大きくなってしまい、物語もいきなり1年以上の時が過ぎてしまうのでもう少し小さなライルが見たかった人は少なくないと思います。

 

大きくなってからは心優しいながらも生物上はクロコダイル、やはり逞しさは拭われていません。そんな大きなワニが歌って踊るからこその新鮮さなどがあって面白いです。

 

絵本を元に作られた作品であるためストーリーをはじめとする様々な要素が若干子供向けになっているのかなと感じましたが、ミュージカル映画として十分に楽しめる物語でした。

 

子供向けでもあることを考慮すると、字幕版の上映館が少ないことは仕方のないことなのですが、ショーンメンデスの歌声でも聞いてみたくなるような音楽の素晴らしさと単純、純粋に受け取れる物語、ミュージカルは映画館で観てみないとその素晴らしさを存分に味わえないでしょう。1度足を運んでみてはいかがでしょうか。

映画『湯道』の気になった所と考察

こちらは映画『湯道』のネタバレありの記事となっているため先に鑑賞してからの閲覧をオススメします。気になる方はよろしければ私の紹介の記事も見てみてください

あなたにとって”風呂”とは。『湯道』の紹介 - 映画紹介日記



それでは、ここでは私が『湯道』を観て気になったシーンや思ったことなどを書いていきます。

くだらないようなことも書かれていると思いますので気楽に読んでくれたら嬉しいです。

 

 

ひびき桶について

作中でまるきん温泉で行なわれて「ひびき桶」ですが、桶の音を鳴らして夫婦やカップルでお風呂を出るタイミングを知らせるというものです。初めは1組の夫婦がやっていただけでしたが、他の常連カップルたちも真似をしだしたそうです。

ここで疑問が1つ、

「これ、常連さんみんな真似してたら一緒に入る時誰のかわからなくならない?」

実際に桶を鳴らしている回数に違いもないので、確実に誰が鳴らしたのかわからなくなる時があると思います。しかしこのひびき桶は作品を通してかなり重要な要素であるため統一した方がお話的には良かったとは思っていますが少し気になりました。

 

厳選垂れ流し至上主義者の末路

作中のラストで銭湯の常連さんたちに反撃され、まるきん温泉を後にする太田与一ですが、エンドロールで流れるムービーでは二之湯家の風呂に入っています。

これはひょっとすると一度井戸水などの風呂に入ってみようという気持ちが芽生え、改心した可能性が出てきますよね。

作品に登場する全ての登場人物が『風呂』の良さに気づくことができた。という終わらせ方としても受け取れるかもしれません。

秋山いづみの父親の正体

まるきん温泉の看板娘として住み込みで働いている秋山いづみの父親について少し思うところがありました。

後半でいづみは紅茶屋(くれないちゃや)の娘だったことが明かされますが、その時も母親の姿は現れるのですが、父親は登場しません。

しかし少し考えてみると、冒頭のシーンで紅茶屋で赤ん坊にお湯をかけるシーンがあるのですが、そのお湯をかけている人物が二之湯の家元、角野卓造演じる薫明だったのです。

薫明は作中で最も良かった風呂は紅茶屋であったと言及していることもあり、関わりがあってもおかしくはないでしょう。

つまり、いづみは二之湯家の血筋である可能性が高いでしょう。

父親は薫明か風呂仙人か・・・風呂仙人だとしたらなかなか面白い展開ですね。想像が膨らみます。

ラストのワンシーン

ラストシーンはまるきん温泉で働く3人が仲良く風呂に入り、女湯の方からまるきん温泉を続けるのかと三浦兄弟に問いかけるいづみ、ひびき桶を1度鳴らして続けると言う意思を示し終了。

しかしここの描写で個人的にこうすれば良かったのではと思うところがあります。

実際の流れを書きますと、続けるのかと聞かれ、桶を探す兄弟、生田斗真演じる史朗の方に桶があり、史朗はそれを手に取り、濱田岳演じる悟朗の方に顔を向け、ここで映像が外に切り替わって桶の音が鳴って終わります。

これ、兄弟2人で桶を持つとこまで写した方が良かったのでは?と思ってしまいます。

史朗が悟朗に顔をむけたと同時に桶を差し出し、2人で鳴らす動きを見せて音が鳴ると同時に画面の切り替え、そうすると史朗の心情の移り変わり、兄弟の関係の変化などがきちんと描写することができ、気持ちの良い終わり方になっていた気がします。

そのような考察も含めてあえてあのような終わり方にしたのかもしれませんが少し気になってしまいました。

 

 

さて、様々な考察を書いていきましたが鑑賞中は何も考えずに純粋に楽しめるような、幅広い層が観ることのできる作品となっていましたので是非一度観てみてはいかがでしょうか。

あなたにとって”風呂”とは。『湯道』の紹介

本日は2月23日に公開された『湯道』を観てきましたので紹介をしていきたいと思います。

あらすじ

建築家の三浦史朗(生田斗真)が、「まるきん温泉」を営む実家にある日突然戻ってくる。彼は亡き父が遺した銭湯を切り盛りする弟の悟朗(濱田岳)に、古ぼけた銭湯をマンションに建て替えると伝えるために帰省したのだった・・・

笑って、泣いて、整って”湯”一無二のお風呂エンタメに、あなたはドップリ浸かる!

                            『湯道』公式サイトより

 

写真を見ればわかるかと思いますが、とても豪華なキャストで繰り広げられるお風呂ストーリーです。それでは感想を書いていきます。

 

『湯道』の感想

今回の作品は主要人物の数名が「まるきん温泉」を中心にそれぞれお風呂に関するストーリーを展開していくお話になっています。

全体の感想としましては、タイトルの通り「湯道」でしたね。湯の道、その人にとってのお風呂、そんなことを語る2時間です。

登場人物それぞれにお風呂に対する想いがあって、お風呂について色々な考えを受け取り、なんとなしに入っていたお風呂が観た後には何か奥深さと言いますか、いつもと違う気持ちよさを感じました。

天童よしみクリス・ハートの歌も良かったです。

あとはお風呂をテーマとした映画ということでみんなお風呂に入るのですが、窪田正孝の筋肉に惚れました。

自分にとって風呂とはどんな存在か、銭湯などの古くから在るものは将来的に残す価値のあるものなのか、普段考えないような角度で物事を考えさせられる作品でした。

 

終始クスッと笑えるストーリーの中で感動もできる、身も心も温まる作品でした。ぜひ『湯道』を映画館で観てみてください!

本日はポケモンデイ!おすすめのポケモン映画紹介

本日2月27日はポケットモンスター赤・緑が発売された日として毎年お祝いされており、今年で28周年となりました。現在記事を書いている私もポケモン公式youtubeチャンネルでプレミア公開されるポケモンプレゼンツの待機中です。

さて、ポケモンブームは盛り上がりを見せ続け、時代とともにテレビゲームやカードなどで成長している作品ですが、映画の方も毎年夏に公開されていたことは多くの人が知っていると思います。(最新のココは12月公開)

ポケモン作品は大人になっても面白いですし、子供の頃に観たものを成長してから懐かしみながら観てみたりすることもできるので楽しいですよね。

そんな中でも全ての劇場版ポケットモンスター作品を観てきた私がお勧めしたいのはダイヤモンド・パール時代の

・『ディアルガVSパルキアVSダークライ

・『ギラティナと氷空(そら)の花束 シェイミ

・『アルセウス 超克の時空へ

の3作品です。「1作じゃなくて3作なのかよ」「DP時代ってゾロアークはどこ行ったんだよ」と意見のある方もいるかもしれませんがそこら辺はとりあえず置いておきましょう。

3作品まとめて紹介したいのにはちゃんとした理由があるのですよ!実際に観てもらいたいので作品の中身にはあまり触れずに書いていきますね。

 

1作品ずつのざっくりとした紹介

まずは1作品ずつの大まかなあらすじとオススメポイントを書いていきたいと思います。

ディアルガVSパルキアVSダークライ

この作品はアニメポケットモンスター劇場版第10作記念作品であり他の作品以上に力の入ったものとなっています。実は当時は『ディアルガVSパルキア』として発表されていたのですが、のちにこの映画で初登場の幻のポケモンダークライ”がタイトルに追加されたんです。

そのダークライは劇中ではイケメンすぎまして・・・

ということで今作のあらすじとしましては伝説のポケモンであるディアルガパルキア異世界で喧嘩しちゃってまして、ヒートアップしてサトシたちの居る世界にまで渡ってきちゃったんですよね。それをどうにかして止めよう!ってお話しです。

オススメポイントとしましてはやはりダークライのかっこよさと後半のストーリーで重要となる音楽です。

昨年の25周年の際に映画祭と称してアンケート上位の過去3作品を映画館で再上映するという企画がありまして、その3つのうちの1つに選ばれるほど人気のある作品です!

 

ギラティナと氷空の花束 シェイミ

お次は先ほどの作品に続く11作目。こちらも前作と同様に初登場の幻のポケモンシェイミ”が後にタイトルに追加されました。

あらすじは旅を続けるサトシたちの前に見知らぬ喋るポケモンシェイミ)が現れ、迷子だということで目的地へ連れて行こうとする道中で反転世界と呼ばれる鏡の世界のような異世界に引き込まれたり、シェイミを狙う男に襲われたりするお話しです。

オススメポイントはシェイミの性格ですかね。かなり意地っ張りで自分勝手な性格でありながら迷子になるということからも分かるようにかなりの方向音痴や天真爛漫さを兼ね備えています。そんなシェイミの性格や心情の変化に触れて観てみると楽しいかもしれません。

 

アルセウス 超克の時空へ

最後はこちらの作品。アルセウスポケモンをほとんど知らない人でも聞いたことくらいはあるような名前ですよね。一昨年にはゲームのタイトルにもなっていますし知名度で言えばピカチュウに負けず劣らずなんじゃないでしょうか。

あらすじはサトシたちが旅の途中で訪れた遺跡にて突如発生した空間の歪みに飲み込まれそうになるところから始まり、それがこの世を作り出したとされる伝説のポケモンアルセウス”の目覚めによる時空の乱れであると知らされ、その乱れを抑えるべくアルセウスの覚醒を鎮めようとするお話しです。

オススメポイントはこの作品は過去にタイムスリップして物語が進んでいくというところです。サトシが直接過去に行くというのは中々描かれていないストーリーですし、それがポケモンの頂点であるようなアルセウスを主題とした作品で進んでいくのでポケモン好きにはたまらないです。あとはなんと言ってもアルセウスの声優さんです!務めているのはあの美輪明宏さん。想像するだけで神々しい感じ、伝わってきませんか?

 

3作品をオススメする理由

ここまで1作ずつ簡単に紹介させていただきましたが、私が一番話したかった、なぜまとめて3作品紹介しているのかについてお話ししていきたいと思います。

その理由は、この3作品は「神々の戦い三部作」としてポケモン映画を代表する長編作品となっているからです。

ダイヤモンド・パールの伝説のポケモンは神話として語られており、神として崇められるような存在なんです。でもただ神のポケモンが出ている3作という訳ではなくて、ちゃんと繋がりがあるんです。

 

時間を作り出し、時間の世界に住むディアルガと空間を作り出し、空間の世界に住むパルキアが本来は出会うはずがなかったのに出会ってしまい、お互いがお互いの領域を守ろうと戦いを起こしてしまうんです。ここからが1作目のお話ですね。

そして1作目の終わり、2体のポケモンは和解をしたようなのですが、伝説のポケモンが争えば被害が大きくなるのも当然。その被害は時間と空間の裏側の世界、反転世界にまで影響を及ぼしてしまいました。そしてそこに住むギラティナは怒り、2体を反転世界へ取り込もうとし、その現場に居合わせたシェイミのお話しが2作目です。

さて、少し雑に話してしまったと思われてそうなところを今から回収しますよ。

なぜディアルガパルキアは出会ってしまったのかというのが3作目で明かされます。アルセウスが目覚めようとしているとお話しましたが、世界を作り上げたポケモンが覚醒するのには凄まじいエネルギーが発生するようで、それによってサトシたちが引き込まれそうになった時空の乱れが発生するそうです。”時空の乱れ”そう、2体のポケモンアルセウスの覚醒が原因で出会ってしまったのです。

アルセウスによって作られた世界でアルセウスの目覚めと共に歪められる時空から神々の戦いが起こるという訳ですね。

アルセウスが時空を歪めてしまうのは人間が原因ですのでアルセウスは悪いやつではありません。詳しく知りたい方はぜひ本作を観てみてください。

 

最後に

ここまでオススメの3作を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。ポケモン映画に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。今回紹介していない別の作品もどれも面白いお話なのでぜひ観てみてください!

 

まだ間に合う!レッドカーペットを渡る『すずめの戸締り』の紹介

観客動員1000万人を突破し、2月24日にはベルリン国際映画祭へ出品される新海誠監督の最新作『すずめの戸締り』日本アカデミー賞の話題賞俳優部門にて”宗像草太”を演じる松村北斗さんが受賞し、まだまだ止まりを見せない今作品ですが、まだ観ていないという方も観てみたくなるようにできるだけネタバレしない形で紹介しつつ、観た方にも楽しんでもらえるような記事を書いていきたいと思います!

 

あらすじ

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが...やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。――星と、夕陽と、朝の空と。迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった――不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。

                      『すずめの戸締り』公式サイトより

 

『すずめの戸締り』の感想

まず個人的な感想としては新海誠監督の前作である『天気の子』は前々作の『君の名は。』より良いと思っていたので今作はどうだろうかと鑑賞しに行きましたが・・・

面白い。前作よりも好きです。『天気の子』の時は面白い作品ではあるけれど、ファンタジーに振り切っているわけでは無いのに現実からかけ離れすぎている要素ばかりだったのでどうなのだろうかと思っていた部分もありましたが、今作は現実的な面と非現実的な面のバランスが非常によくとれていて、映画の構成として気になるところなく楽しめました。入場者特典でもらった(現在配布終了)新海誠本でも言及されていたので力を入れたんだなと感じました。

ただ、ざっくりとした話にすると不可解な現象によって出会った男女が強い関わりを持ち、その現象を解決すべく日本を旅する。といったところで、前作、前々作と形はかなり似ているかもしれません、言ってしまえば『秒速5センチメートル』も似たようなものではありますし、新海誠節がまたまた出ていると考えられます。

マンネリ化と捉えてしまう人もいるかもしれませんが、似通った中で違った物語を観ることで楽しみ方のバリエーションが増えているとも受け取れるため観ない理由にするには勿体無い気がします。

 

『すずめの戸締り』ここがオススメ!

1つ目としましては、新海誠さん、あなた学生を長距離移動させるのお好きですねえ!

遠方へ行かせがちな新海誠作品ですが、今回はまたその価値が今までとは違います。

今作は「行ってきます」という言葉がキーワードとなっており、ポスターなどのキャッチフレーズにも用いられていますね。

この『すずめの戸締り』は地震をメインとし、震災が風化しないよう、まだ復興は続いてることが伝わるように作られた作品であると述べられています。

若い頃は毎日のように言う「行ってきます」という言葉も一瞬で崩れ、当たり前ではなくなることを私たちは知っています。家族と離れ離れになってしまう事だっておかしくは無いでしょう。そのため今作での旅というのは重みが違っていると思いました。

そんな新海誠作の”旅”にいつもと違った感覚を味わうことができるでしょう。

2つ目のオススメポイントは鈴芽と草太の行く先々で出会う人たちのキャラクター。

これまでの作品を観てみるとフォーカスの当てられる登場人物というのがある程度限られてしまっている感じがします。しかし今回は登場人物一人一人の人物像が描かれていて、ここでも震災に合わせて人との関わりの重要性を訴えかけているような気がしました。

出会う人々の人間性に注目してみるのも楽しみの一つになります。

3つ目はなんといっても映像が綺麗です。大きなスクリーンいっぱいに映し出される色鮮やかで細やかな映像はやはり映画館でしか味わえないですよね。

新海誠監督は特に植物や水の表現が素晴らしいので背景までにもこだわりを感じます。

 

最後に

公開されてから早くも4ヶ月が経過しようとしていますが、まだ上映している映画館もあります。再び注目を集めている『すずめの戸締り』ぜひ映画館まで足を運んでみてはいかがでしょうか!きっとあなたはこの映画を観た後帰った時に「ただいま」と言いたくなるでしょう。

『バビロン』を鑑賞してきました

映画「バビロン」

 

2月10日から公開の『バビロン』

この作品はデイミアン・チャゼルが監督を務め『ラ・ラ・ランド』に続き音楽に力を入れた作品として注目を集めていました。

私も『ラ・ラ・ランド』を観たことで音楽中心の作品やミュージカルに興味を抱いたと言っても過言ではないので今回の作品は予告の段階で映画館に足を運ぶことは確実でした。

 

 

 

あらすじ

1920年代のハリウッドは、すべての夢が叶う場所。サイレント映画の大スター、ジャック(ブラッド・ピット)は毎晩開かれる映画業界の豪華なパーティの主役だ。会場では大スターを夢見る、新人女優ネリー(マーゴット・ロビー)と、映画製作を夢見る青年マニー(ディエゴ・カルバ)が、運命的な出会いを果たし、心を通わせる。恐れ知らずで奔放なネリーは、特別な輝きで周囲を魅了し、スターへの道を駆け上がっていく。マニーもまた、ジャックの助手として映画界での一歩を踏み出す。しかし時は、サイレント映画からトーキーへと移り変わる激動の時代。映画界の革命は、大きな波となり、それぞれの運命を巻き込んでいく。果たして3人の夢が迎える結末は…?

                          『バビロン』公式サイトより

 

感想

感想についてはネタバレにならないように書いていきたいと思います。

まずは気になるところと言ったら音楽でしょう。

こちらは力が入っていたのはもちろんなのですが、特にトランペットなどの金管楽器の音が気持ち良い。予告で流れている音楽も映画館で聴けばよりその迫力に魅了されると思います。

ストーリーについては始めから中々衝撃の強い映像が続きます。セクシーな女性が踊ったり、喧嘩したり、年齢制限は15歳でいいのかと思うほどに過激的な場面もあります。約20分を経てタイトルが現れた時に気持ちが昂りました。もう、ずっとどんちゃん騒ぎと葬式ほどの静かなシーンの大きな波に呑まれ続けてました。その単純さが100年前の時代としては合っているのかもしれないと勝手に解釈しています。

私みたいに『ラ・ラ・ランド』を受けて今作を観ようとしている方もいるでしょう。それを踏まえて言いますと、恋愛や登場人物たちが歌うなどといった要素は強くありません。なので『ラ・ラ・ランド』を照らしてこの作品を観ようとすることはやめておいたほうがいいでしょう。

 

 

まとめ

全体の感想としましてはとにかくこだわりが強い。監督・脚本をデイミアン・チャゼルが行っているため彼らしさが全面に出つつも、一つ一つのシーンに、カットに、こだわりを感じました。一見すると「このシーンいるのか?」などと思われてしまいそうな部分も、作品の一部としては必要不可欠なものであり、3時間の中に無駄なものはなかったと思います。

ラ・ラ・ランド』の時からですが、夢と時の流れについて描くのが上手く、今回でいえば私は1920~50年代なんて生きてもいないのに現実的だと感じました。

ショッキング(血やセクシー、汚物など)な映像が苦手な方にはおすすめできません!これだけは伝えておきます。付き合いたてのカップルで観にいけば気まずくなること間違い無いでしょう。

すぐにコンプライアンスがどうだと騒がれるこの時代に作り上げられた作品、映画評論家たちは好まない作品かもしれません。しかし映画を楽しむ者としての意見としては映画のために作られた映画であり十分に楽しめる作品であると思います。

最後に、『バビロン』を観た後、あなたは「映画を観ていた。」と思うでしょう。