映画『湯道』の気になった所と考察
こちらは映画『湯道』のネタバレありの記事となっているため先に鑑賞してからの閲覧をオススメします。気になる方はよろしければ私の紹介の記事も見てみてください
あなたにとって”風呂”とは。『湯道』の紹介 - 映画紹介日記
それでは、ここでは私が『湯道』を観て気になったシーンや思ったことなどを書いていきます。
くだらないようなことも書かれていると思いますので気楽に読んでくれたら嬉しいです。
ひびき桶について
作中でまるきん温泉で行なわれて「ひびき桶」ですが、桶の音を鳴らして夫婦やカップルでお風呂を出るタイミングを知らせるというものです。初めは1組の夫婦がやっていただけでしたが、他の常連カップルたちも真似をしだしたそうです。
ここで疑問が1つ、
「これ、常連さんみんな真似してたら一緒に入る時誰のかわからなくならない?」
実際に桶を鳴らしている回数に違いもないので、確実に誰が鳴らしたのかわからなくなる時があると思います。しかしこのひびき桶は作品を通してかなり重要な要素であるため統一した方がお話的には良かったとは思っていますが少し気になりました。
厳選垂れ流し至上主義者の末路
作中のラストで銭湯の常連さんたちに反撃され、まるきん温泉を後にする太田与一ですが、エンドロールで流れるムービーでは二之湯家の風呂に入っています。
これはひょっとすると一度井戸水などの風呂に入ってみようという気持ちが芽生え、改心した可能性が出てきますよね。
作品に登場する全ての登場人物が『風呂』の良さに気づくことができた。という終わらせ方としても受け取れるかもしれません。
秋山いづみの父親の正体
まるきん温泉の看板娘として住み込みで働いている秋山いづみの父親について少し思うところがありました。
後半でいづみは紅茶屋(くれないちゃや)の娘だったことが明かされますが、その時も母親の姿は現れるのですが、父親は登場しません。
しかし少し考えてみると、冒頭のシーンで紅茶屋で赤ん坊にお湯をかけるシーンがあるのですが、そのお湯をかけている人物が二之湯の家元、角野卓造演じる薫明だったのです。
薫明は作中で最も良かった風呂は紅茶屋であったと言及していることもあり、関わりがあってもおかしくはないでしょう。
つまり、いづみは二之湯家の血筋である可能性が高いでしょう。
父親は薫明か風呂仙人か・・・風呂仙人だとしたらなかなか面白い展開ですね。想像が膨らみます。
ラストのワンシーン
ラストシーンはまるきん温泉で働く3人が仲良く風呂に入り、女湯の方からまるきん温泉を続けるのかと三浦兄弟に問いかけるいづみ、ひびき桶を1度鳴らして続けると言う意思を示し終了。
しかしここの描写で個人的にこうすれば良かったのではと思うところがあります。
実際の流れを書きますと、続けるのかと聞かれ、桶を探す兄弟、生田斗真演じる史朗の方に桶があり、史朗はそれを手に取り、濱田岳演じる悟朗の方に顔を向け、ここで映像が外に切り替わって桶の音が鳴って終わります。
これ、兄弟2人で桶を持つとこまで写した方が良かったのでは?と思ってしまいます。
史朗が悟朗に顔をむけたと同時に桶を差し出し、2人で鳴らす動きを見せて音が鳴ると同時に画面の切り替え、そうすると史朗の心情の移り変わり、兄弟の関係の変化などがきちんと描写することができ、気持ちの良い終わり方になっていた気がします。
そのような考察も含めてあえてあのような終わり方にしたのかもしれませんが少し気になってしまいました。
さて、様々な考察を書いていきましたが鑑賞中は何も考えずに純粋に楽しめるような、幅広い層が観ることのできる作品となっていましたので是非一度観てみてはいかがでしょうか。